のしとは?意味や種類、使い方とマナーまで解説

お中元やお歳暮などの季節の挨拶や感謝を込めた贈り物には、のしをつけて贈るのが一般的です。のしには、どんな意味や由来があるのでしょうか。この記事では、のしの正しい使い方や掛け方の違いなど基本マナーについても解説します。


のしとは何?

のしとは、お祝い事の贈答品に添えられた飾りのことを指します。長寿や繁栄を願う象徴であり、現在では、贈り物をする際の礼儀や気持ちを表す飾りとして用いられています。

のしの役割
・正式な贈答品であることを示す
・贈り物の趣旨を明確にする
・相手への祝意や敬意を表す
・贈り物の格を高める

贈り物の格を高める装飾

のし紙は、「のし飾り・水引・表書き」で構成されます。

(図解)
図とともに記載 
・のし飾りは、のし紙の右上にある飾りで、長寿や繁栄を願う象徴です。
・水引は、のし紙中央にある帯のこと。結び方で用途や意味を示します。
・表書きは、贈り物の目的を明記します(御礼、御祝など)。

この3つを揃えることで、その贈り物が単なる品物ではなく「目的を持った正式な贈り物」であることを示します。例えば、結婚祝いの場合、結び切りの水引と「寿」と書かれた表書きで、「一度きりの慶事を祝う」意図が明確になり、相手に対する礼儀や敬意がより強く伝わります。

 

慶事の象徴としての役割 

慶事におけるのしは、長寿や繁栄を願う象徴です。結婚祝い、出産祝い、入学祝いなどのお祝い事全般に用いられます。のしを添えて贈ることで、相手への祝意や心遣いがより丁寧に伝わります。

・結婚祝い:「一度きりの慶事であってほしい」という意味から、のし付き・結び切りの水引を使用。
・出産祝い:「何度あってもよいお祝い事」として、のし付き・紅白蝶結びの水引を使用。
・入学・就職祝い:人生の節目としてお祝いの気持ちを示す
・新築祝い:新居の繁栄を願って贈る    など

 

のしの由来とは?

のしの由来とされているのが、あわび(鮑)です。そこには、次のような理由があるとされています。

・あわびは古来、不老長寿の象徴とされた
・乾燥させた「のし鮑」を慶事の贈答に添えたのが起源
・あわびは保存性が高く、貴重な供物として重宝された
・武家社会で儀礼化し、贈答の正式様式として定着した
・現代では簡略化され、紙ののし飾りとして受け継がれている。

あわび由来の縁起

あわびは古くから、不老長寿の象徴とされていました。特に、あわびを干して作る「のし鮑」は保存性が高く、腐りにくいことから、「生命力の象徴」として捉えられ、宮中儀礼や神事へのお供物に用いられていました。このような背景から、お祝い事に添えることで繁栄や健康を願う意味が込められるようになりました。また、あわびは"生もの"の象徴でもあり、昔は新鮮な供物を贈ることが最大級のおもてなしとされていました。その相手に対する礼儀や敬意が、現代では紙の飾りとして受け継がれています。

なぜ、あわびが使われるのか

のし紙にあわびが使われるのはなぜでしょう。そこには、3つの理由があります。1つは、あわびが生ものの象徴であること。本来、贈答には新鮮な供物を贈るのが最上のおもてなしとされ、その代表的な生ものがあわびでした。2つ目は、保存性があること。あわびを干した「のし鮑」は長期保存が可能で腐りにくいため、「長寿の象徴」として捉えられていました。これが慶事にふさわしい意味合いを強めることになりました。3つ目は、高級食材であること。あわびは昔から高価な食材であり、格式を示す食材として宮中の儀式や神事に用いられていました。
また、あわびは仏教との関連が深い食材でもあります。仏教では殺生を避ける意味から、肉や魚などの生臭ものを弔事で使うことはNGとされていますが、一方で、慶事では相手への敬意と祝意を示すものとして、あわび由来ののしが用いられてきました。


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のし紙とは?

のし紙は、のし飾り・水引・表書き・名入れの4つの要素で構成されています。

・のし飾り:長寿や繁栄を願う象徴であり、慶事のしるしです。
・水引:結び方で、贈り物の用途や意味を示します
・表書き:贈り物の目的を明記します
・名入れ:贈り主の名前を明確に示すことで、責任と礼節を表します

のし飾り 

のし飾りは、のし紙の右上に配置される飾りです。もともとは薄く伸ばした「のし鮑」を包んだ形を模したもので、長寿・繁栄・生命力の象徴と捉えられています。色使いの白は「清浄・神聖」、赤は「魔除け・慶び」を意味しており、白と赤を組み合わせることで「清らかな祝意」の意味になります。
のし飾りは、本来、乾燥させたあわびを紙で包んで実物を添える立体的なものでした。現代では簡略化され、のし紙に印刷された平面的な飾りが主流となっています。

水引

水引は、飛鳥時代に遣隋使の持ち帰った贈答品に紅白の麻紐が結ばれていたことが起源とされています。現代では、贈り物の目的や格を視覚的に示す役割があります。結び方は、何度でもよい慶事に用いる「蝶結び(花結び)」、一度きりが望ましい結婚や弔事に用いる「結び切り」、繰り返さない強い意味をもつ「あわじ結び」などがあります。色も使い分けられており、慶事には紅白や金銀、弔事には黒白や双銀が一般的です。本数は基本的には奇数(5本、7本など)が用いられています。

表書き

表書きには、贈り物の目的や意図を明確に伝える役割があります。受け取る相手が用途をひと目で理解できるため、礼儀や形式を遵守した適切な言葉選びが重要になります。慶事では「御祝」「寿」「御入学祝」「御結婚祝」など、弔事では「御香典」「御霊前」「御仏前」などがあります。ちょっとした感謝を伝える場合は「御礼」とするのが一般的です。宗教や宗派、贈る時期に合わせて書き分けることも必要です。

名入れ

名入れは、水引の結び目の下中央にフルネームで。楷書で丁寧に書くのが基本です。個人で贈る場合は、姓のみでも構いません。連名で贈る場合は、目上・年長者の方の名前を右に配置し、左に並べて書きます。

例)
夫婦の場合:「山田太郎 花子」(右に夫)
会社の場合:「株式会社○○○ 代表取締役 山田太郎」または「株式会社○○○一同」
※会社の規模によっては「外一同」と書いて、整った配置で記します。
※ヨックモック公式オンラインショップでは、法人名入れのお名前の入力欄は1か所のみとなっております。



水引の種類と使い分け方は?

・蝶結び:ほどいて何度も結び直せる形から、出産・入学など「何度繰り返してもよいお祝い事」に使用
・結び切り:一度結ぶと固くてほどけない形から、結婚・弔事など「一度きりが望ましい場面」に使用
・使い分けは、その出来事が繰り返して良いかどうかで判断します

蝶結びと結び切り

蝶結びは、何度でも結び直せる形から、「何度繰り返してもよいお祝い事や出来事」に使われる結び方です。出産祝い、入学・卒業祝い、就職祝い、昇進祝い、長寿のお祝いなどに使われ、例えば出産祝いでは「元気な子どもが何人でも生まれてほしい」という願いを込めて用いられています。
結び切りは、固く結ばれてほどけないことから「一度きりが望ましい出来事」に使われます。結婚祝い、退院祝い、快気祝い、弔事などに使われており、弔事の場合は「不幸が繰り返されないように」という願いで用いられています。

 

慶事で使い分け

水引の色は、慶事の場合は紅白または金銀、弔事の場合は黒白が基本です。本数は奇数(5本もしくは7本)が原則です。結婚祝いは両家を表す意味で10本を使います。下記の表を参考にして使い分けてください。

慶事の種類

結び方

本数

結婚祝い

結び切り・あわじ結び

紅白・金銀

10

出産祝い

蝶結び

紅白

5本・7

入学祝い

蝶結び

紅白

5

就職祝い

蝶結び

紅白

5

新築祝い

蝶結び

紅白

5本・7

長寿の祝い

蝶結び

紅白・金銀

5本・7



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のしはどんな時に使うの?


・慶事:結婚、出産、入学、就職、新築などのお祝い事に使用
・季節の贈答:お中元、お歳暮、暑中見舞い、寒中見舞いなどに使用
・選び方は、その出来事が繰り返してよいかどうかで判断します。

慶事での活用場面

のしを慶事で使う場合は、場面に合った水引と目的に合った表書きにするのがマナーです。

・結婚祝い:「結び切り(もしくは、あわじ結び)」の水引を用い、「寿」「御結婚御祝」などと書きます。
・出産祝い:「蝶結び」の水引を用い、「御出産御祝」「御祝」と書きます。
・入学祝い:「蝶結び」の水引を用い、「御入学御祝」「祝御入学」などと書きます。

このように場面ごとに水引と表書きを整えることで、贈り物に込めた祝意が相手に正しく失礼のない形で伝わります。

 

季節の贈答品

のしを季節の贈答に使う場合は、「紅白の蝶結び」の水引が基本です。季節の挨拶は、何度繰り返してもよいものなので、結び切りは使いません。

・お中元:夏に、日頃お世話になっている方に感謝を伝える贈り物です。表書きは「御中元」と書くのが基本です。時期が遅れてしまった場合は、「暑中見舞い」あるいは「残暑見舞い」とします。

・お歳暮:年末に、一年お世話になった方に感謝を伝える贈り物です。表書きは「御歳暮」。時期が遅れてしまった場合は、「寒中見舞い」などと書きます。

・お年賀:新年の挨拶として贈ります。表書きは「御年賀」もしくは「御年始」と書きます。

このように季節ごとに水引と表書きを整えることで、贈り物に込めた気持ちと心遣いが相手に正しく伝わります。

 

のしを使わないシーンは?

その一方で、のしを使わない場面もあります。

・弔事:のしは本来生ものが由来とされており、殺生を連想させるため不適切とされています。のし紙ではなく、のしのついていない無地の掛け紙を使うのがマナーです。
・お見舞い:病気が「長引く」のを想起させるため、のし飾りは付けず、水引だけを用いるのが一般的です。
・親しい間柄に贈る場合:形式よりも気持ちを重視するため、のし紙よりもカジュアルな「短冊のし」を使うことが多いようです。

 

弔事やお見舞い

のしは、生ものである「あわび」が由来とされており、長寿や繁栄を願う象徴であるため、弔事やお見舞いでは不適切とされています。弔事では仏教の観点から殺生や生臭さを連想させ、お見舞いでは「長く続く」ことを連想させるためです。つまり、慶事の象徴であるのしは、お祝いの気持ちを強調する要素になるため、悲しみや配慮が必要な場面にはふさわしくないのです。
その代替として、黒白や双銀の水引を用いた「弔事用掛け紙(不祝儀袋)」や「無地の掛け紙」、簡略化した「短冊のし」が用いられています。

親しい間柄に贈る場合

家族や友人などの親しい間柄に贈る場合も、のしは必要ありません。カジュアルな贈り物では、形式よりも気持ちが重視されるため、すこし堅苦しい印象を与えるのしは簡略化されることが多いようです。例えば、友人への手土産やちょっとしたお礼、誕生日のプレゼント、職場への差し入れなど。こうした場面では、華やかなラッピングやメッセージカードで気持ちを伝えるのが一般的です。
※ヨックモック公式オンラインショップではメッセージカードの対応はしておりません。

 

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内のしと外のしとは?

のしの掛け方には、「内のし」と「外のし」の2種類があります。

・内のし:品物にのし紙をかけてから包装する掛け方。のしが破れにくく、控えめな印象を与える。
・外のし:品物を包装してから、その外側にのし紙をかける掛け方。贈答の目的がひと目で伝わる。
・配送の場合は、内のし。手渡しする場合は、外のしを選ぶのが一般的です。

 


内のしの特徴

内のしは、品物にのし紙をかけてから包装紙で包む方法です。外からはのしが見えないため、控えめな印象を与えます。包装紙の中にのし紙が付いているので、配送時の汚れや破損を防ぎやすいという特徴があります。お中元やお歳暮などの季節のご挨拶、取引先や目上の方への贈り物、郵送で送る結婚内祝いなど、礼節や形式は保ちつつも、過度に目立たせたくない場面に適しています。
※ヨックモック公式オンラインショップでは内のしの対応は行っておりません。内のしをご希望の場合は、百貨店等の店頭にてお申し付けください。

外のしの特徴

外のしは、包装紙の外側にのし紙を掛ける方法です。贈り物の目的や差出人がひと目でわかるのが特徴です。受け取る相手や周囲に意図が伝わりやすいので、結婚祝いや新築祝いなど直接手渡しする場面に適しています。また、企業間の贈答や式典での進呈品など公の場で贈るケースにも有効です。礼節や信頼感を強く印象づけることができる掛け方です。

シーン別の使い分け

内のしと外のしは、贈り方と格式の違いで使い分けるとよいでしょう。品物を配送する場合は、輸送時の汚れや破損を防ぐために内のしを選ぶのが一般的です。控えめで落ち着いた印象を与えます。手渡しする場合は、贈答の目的や差出人の名前がひと目でわかる外のしを選びましょう。企業間や式典などの公式な贈答の場合も、格式を重視した外のしにすることが多いようです。一方、内祝いや返礼は、感謝の気持ちを過度に主張しない内のしを選ぶのが一般的です。


まとめ

のしは、あわびに由来する慶事の象徴です。のし飾り、水引、表書き、名入れによって構成されており、贈り物の用途や相手との関係性を示します。水引は結び方や色・本数によって意味が異なり、慶事か弔事で使い分けます。のしの掛け方には、内のしと外のしがあり、配送か手渡しかで選択します。祝意や敬意、感謝の気持ちが正しく伝わるように、のしの使い方には十分注意して品物を贈りましょう。




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